ワキガ対策5選〜手術の前にできること

ワキガ体質の人はとても強いニオイがするのでたいへんだなぁと思っているあなた。もしかしたらあなたも臭ってるかもしれませんよ?

ワキガは病気?

ワキガは腋臭症とも呼ばれ、あたかも病気のような響きがありますが、簡単に言えば体質のことで病気ではありません。体質なので人にうつることはないですし、他人からうつる心配もないです。ただ、これまでワキガでなかった(気付かなかった)人が思春期を過ぎたあたりから突然ワキガになることはあるようです。

臭くても本人は気付かない

自分の臭いは本人は気付きにくいもの。理由は脳の順化というフィルター作用のためです。私たちの周りには色々な臭いや音が溢れているのですが、脳のフィルターのおかげで全く気になりませんよね?おかげで私たちはいつもと違う臭いや音に集中できるようになっています。

みなさんは風邪をひいて寝込んだとき時計の音がチクタクうるさく感じたことはありませんか?時計は普段から本当はチクタク鳴っているのですが脳のフィルターでカットされているため体調を崩したときなど以外は気にならないのです。

臭いも同じで例えワキガなどの強いニオイでも自分は気付かないのです。
くさそうなサラリーマン

では自分がクサイかどうかはどうすればわかるのでしょう?

ワキガの見分け方

ワキガかどうか見分けるチェックリストがこちら。
  • 肌着の脇の下部分が黄色く変色する
  • 耳アカがネバネバしていてキャラメルのようになっている
  • 親がワキガ体質だ
  • 毛深く、毛が剛毛
  • 肉類など高脂質、高カロリーな食生活をしている
これらの項目で複数当てはまる人はワキガの可能性があります。

また自分のニオイは他のものにうつすと確認しやすくなります。家にある食品用ラップは無臭で確認するには最適。
  • ラップをちぎって体温を測るときのように脇の下に直接はさみ、しばらく時間を置いてからニオイを嗅いでみてください。
自分でわかるくらいクサイとワキガの可能性が高いです。
この後をしっかり読んでワキガ対策をしましょう!

ワキガはなぜきついニオイを出すのか

身体には皮脂を出す皮脂腺と汗を出す汗腺があり、汗腺は全身に広がるエクリン腺とわきの下など一部だけにあるアポクリン腺の2種類あります。
  • 皮脂腺 皮膚をやわらかくして乾燥から守る皮脂を出す腺組織。
  • エクリン腺 全身いたるところに分布するとても小さな汗腺。出る汗の成分は99%以上水分(残りは塩分やアンモニアなど)でサラっとしている。
  • アポクリン腺 腋や陰部、耳の外耳道、乳首の周りなど頭以外の濃い体毛が生える場所に分布していて、毛穴と出口を共有している大きな汗腺。出る汗はタンパク質や脂質を含んでおりやや粘り気がある。
アポクリン腺の粘っこい汗は塩分を含んでおらず細菌などが非常に繁殖しやすくなっています。また皮脂腺から出る皮脂を養分として細菌が活発になると強い発酵臭が発生し、それがワキガのきついニオイとなるのです。
アポクリン腺から出る汗と皮脂と細菌が組み合わさってきついニオイになります。

そもそもニオイがして当然

そもそもアポクリン腺はニオイを作り出すために存在しています。多くの動物では個体の識別や異性を惹きつけるフェロモンのような役割をしているのです。腋毛も効率よくニオイを発散させるために生えているという説もあるくらい。
ですので世界的に見ればワキガの人の方が大多数。欧米では7〜9割の人がワキガだそうです。ただ日本人は、もともと肉など脂質の多いものを食べていなかったので、ワキガ率は1割くらいと少数派。だから目立ってしまうのですね。

ワキガ対策は次の5つ

  1. 腋毛を処理する
  2. 朝に入浴する(シャワーを浴びる)
  3. 脇臭用のデオドラント商品を使う
  4. 汗をかいたらウェットシートで脇の下を拭く
  5. 服はその日のうちに毎日洗う

1 腋毛の処理

まずは腋毛の処理です。
脱毛がベストですが無理なら少なくとも1センチ以下にカットしましょう。
腋毛を剃る男性の写真
自分で剃るときは皮膚を傷つけないように注意して。
デオドラントスプレーなどが使えなくなってしまいます。
男性は完全に無毛になるのは嫌だという人もいるので、効率の良い腋毛カット方法をまとめる予定です。もう少しお待ちください。

2 朝に入浴する

次は朝の入浴。人にもよりますが汗をかいてから12時間くらいで臭い始めるので、朝に入浴すればその後12時間は臭いません。
シャワーを浴びる男性のイラスト
夜に入浴して身体を洗っている人は朝はシャワーでお湯で皮脂を流すだけで大丈夫です。洗い方は加齢臭を減らす身体の洗い方と同じです。

3 脇臭用のデオドラント商品を使う

製薬会社や化粧品会社など各社から色々な商品が出ています。
タイプ別ではロールオンタイプ、スプレータイプ、ペーストタイプなどがあり、効果別では汗を抑える制汗タイプから菌を殺菌する殺菌タイプ、ニオイを抑える消臭タイプがあります。
具体的なおすすめ商品はまた別でレビューしたいと思います。
デオドラント商品のイラスト

4 汗をかいたらウェットシートで汗を拭く

脇の下に汗をかいたらこまめに拭き取ることでニオイ物質が発生するのを抑えることができます。そのためにはボディ用のウェットシート(無香料のもの)を使いましょう。殺菌作用のあるものを使えば、効率よく汗を拭き取り余計な菌の繁殖を防ぐことができます。私が使ってみて使い勝手、使い心地、価格とも満足しているのが『エージーデオ24クリアシャワーラージシート(クール)無香料』です。

ウェットシートの写真です

5 服はその日のうちに毎日洗う

身体のニオイがなくなってもすでに服に移っている臭いはそのまま残り続けます。
服は毎日洗いましょう。
洗濯機と洗い物のイラスト

汗が染み込んだ服を洗濯カゴに入れたまま置いておくとどんどん臭くなってしまいます。

毎日洗えないスーツや上着などは無香料の衣類用の消臭スプレーを使い、クローゼットにはイオンで消臭できる空気清浄機を置いておくと効果的です。

洗濯の仕方は『スーツや制服など毎日は洗えない服のニオイの取り方にまとめましたのでそちらも参考にしてください。


それでもワキガだと指摘されたときは

以上の方法をいろいろ試してもまだニオイが気になるひとは治療が必要な場合があります。まずは皮膚科形成外科を受診して相談してみましょう。
原因や程度によって治療法は異なりますが、次のような方法があります。
  • アポクリン腺や皮脂腺を除去する手術
  • 電気の力でアポクリン腺を破壊する
  • ボトックス注射で発汗を抑える
医師からワキガと診断されれば、治療方法によっては保険が適用される場合もあるので、まずは相談してみることをおすすめします。

皮膚科や形成外科を受診して大丈夫だと言われても自分が臭いのではないかと思い込んでいる人もいるそうです。このような自己臭恐怖症の場合は精神科の受診が必要だそうです。

いずれにしても受診には勇気がいると思いますが、そのまま放置するとますます状況が悪化する恐れもありますので勇気を出して受診してみてください

がんばれと応援する家族のイラスト