腸内の乳酸菌を増やそう!


腸内の悪玉菌が悪臭につながる腐敗物質をだすのを抑制するには善玉菌と考えられている乳酸菌を増やすのが近道です。乳酸菌について、少し詳しく見ていきましょう。
手っ取り早くおすすめのサプリを知りたいという方は、8の乳酸菌サプリの選び方から読んでください。

乳酸菌という菌はない

乳酸菌というのは細菌のグループ名のことで250種類以上が乳酸菌として知られています。『細菌』は、外側にかたい細胞壁をもつ細胞が一つだけの単細胞の微生物で、大きさは千分の一ミリくらいととても小さいです。
とても小さいため、まだまだわからないことだらけ。
そもそも細菌でわかっている種は全体の数パーセントくらいしかないとも言われています。
乳酸菌は糖類など炭水化物を発酵してエネルギーを得て生きています。
そのとき使った糖類から50パーセント以上の割合のたくさんの乳酸を作り出すので乳酸菌というグループ名になっています。

乳酸菌の使われ方

お酒やワインを醸造したり、味噌や醤油、チーズやヨーグルト、ぬか漬などの発酵食品をつくるなど、いまだに人間が工業的に再現できないことを乳酸菌がやってくれています。
チーズの写真
また最近は腸内の環境を整えるプロバイオティクスとしても注目を集めています。

乳酸菌の種類

乳酸菌はこれまでに250種類以上が正式に認められています。
とても多いので動物や植物などと同じようにラテン語の〜属〜などのような二名法と呼ばれる学名の名付け方法が使われています。
例えばヨーグルトで知られるブルガリア菌の学名はラクトバチルス・デルブリュッキー亜種ブルガリクスと呼ばれているそうです。
同じ種でも少しづつ異なる個性があるので、実用的には『菌株』と呼ばれる分離して培養を続けられている元ネタのようなものが特に重要になっています。
菌株は種名のあとに保管機関と番号、記号などを付けて表されます。
この『どこの機関で培養されている株か』で働きや微妙な風味などが異なってくるということらしいですね。
よく聞く名前としてはヤクルトに使われている『ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株』などがあります。
これはラクトバチルス属カゼイという乳酸菌のシロタ株という意味で、ヤクルト創業者の代田稔(しろたみのる)さんが強い酸性培地で培養を繰り返して選抜した菌株です。
乳酸菌のイラスト

香miさんのイラスト

ビフィズス菌は乳酸菌?

ビフィズス菌は乳酸菌とは違うグループの菌と言われることもありますが、このブログでは乳酸菌の仲間として書いています。

乳酸菌の定義にもよるのですが、ビフィズス菌は古くから発酵乳に使われ、多くの乳酸菌飲料に配合されていて乳酸の生成量も50パーセントあるということで広い意味で乳酸菌の一種と考えられるからです。

一般的な乳酸菌は発酵によって乳酸だけを作る(ホモ乳酸菌と呼ばれます)のに対して、ビフィズス菌は発酵したとき乳酸と一緒に酢酸も作り出す(ヘテロ乳酸菌と呼ばれます)ところが特徴的です。この酢酸が酸に弱い悪玉菌をやっつけてくれるので、腸内環境を改善するのにビフィズス菌がよいと言われているのです。

また普通の乳酸菌とは異なり、酸素のある環境では育たないので主に大腸など腸の奥の方で生息しています。
大腸に生息する乳酸菌の99%がビフィズス菌と言われています。

ビフィズス菌は現在40種類以上知られており、ヒトにもともとすんでいるビフィズス菌は5種類だそうです。最近有名なビフィズス菌BB536もそのうちの一つで、他の“ヒトにすむ”ビフィズス菌に比べて、酸や酸素に強く、製品の中の生菌数が高く、生きたまま大腸に到達することができる菌と言われています。
ビフィズス菌は母乳で育った子供の腸の中で一番数が多く、そのあとは加齢にともなってだんだん数が減っていきます。

長寿で知られる沖縄の高齢者の糞便1グラムにはビフィズス菌が約100億個近く見つかったのに対し、東京の高齢者の便には約1億個しか見つからなかったということで、長寿の秘密も腸内環境がいいことなのかもしれません。
糞便中の腸内細菌のイラスト
LOVINCATさんによるイラスト

乳酸菌の生命活動

乳酸菌は糖類を分解して体に必要な成分を合成したり生育に必要なエネルギーを獲得します。
つまり発酵で乳酸を生み出すことが乳酸菌にとっての呼吸のようなものなのです。
そのときに酸素は使わないので酸素のない環境でも生きていけます。
ビフィズス菌などは酸素があると育たないので動物の腸内にしか存在していないくらいです。

では糖類があればそれだけで生きていけるのでしょうか?
いやいや、そんなことはありません。
実際は人間と同じようにビタミンやアミノ酸、金属塩などいろいろな物質が育生に必要で、それも菌の種類や菌株によって微妙に異なるそうです。
培養している人も大変ですね。

人にすむ乳酸菌

腸内以外にも口などさまざまなところに乳酸菌が住んでいます。

口腔内の乳酸菌

ヒトの口腔内には多くの細菌が生息していますが、乳酸菌のラクトバチルス属もたくさん住んでいます。20世紀中頃まで虫歯の原因がこの乳酸菌だと思われてきましたが、現在は歯面への付着能力が低く、プラーク中の菌数は少ないので虫歯になる主因でないことがわかっています。ただし虫歯の進行を促進する働きがあるようです。

女性の膣内の乳酸菌

思春期以降の女性の膣内では女性ホルモンの働きでグリコーゲンが蓄積され、そのグリコーゲンをエサにしてデーデルライン桿菌と呼ばれる乳酸菌たちが定着しています。その乳酸菌の作る乳酸が膣内を酸性にたもち、他の病原菌の侵入や増殖を防いでいると考えられています。

消化管内の乳酸菌

ヒトの消化管内には1000兆個1000種類もの細菌が生息していると言われています。
ヒトの細胞は60兆個と言われているので腸内にはその16倍もの細菌たちが住んでいるんですね。
この腸内の細菌たちは腸内フローラと呼ばれています。指紋が人それぞれ異なるように、腸内フローラの構成は人によってさまざまです。
その中に乳酸菌もたくさん住んでいますが、その乳酸菌は善玉菌と考えられていて、善玉菌の割合を増やすことが健康促進に役立つと考えられています。

乳酸菌を増やす食品やサプリメント

腸内の乳酸菌を増やす考え方は進化している

昔は『ヨーグルトなどを食べると乳酸菌が腸まで届いて身体にいいのではないか』と考えられてブルガリアヨーグルトなどが流行りました。

次の段階では『ヨーグルトを食べても胃酸で9割 の乳酸菌が死んでしまう』ことがわかり、生きて腸まで届く乳酸菌を配合する食品やサプリメントが出てきました。

さらに次の段階で『生きて届いた乳酸菌ももともと自分の体内にいた種類のものでないと1週間ほどで便と一緒に排出されてしまう』ことがわかりました。

現在では生きて届いた菌も死んでしまった菌もそれぞれ腸内環境の改善には役立っているというバイオジェニックスという考え方が広まってきてどんどん研究が進んでいます。

自分にあう乳酸菌はどうやって見つけたらいいのか?

その人に合う乳酸菌とはもともと体内にいた種類の乳酸菌ですが、腸内フローラは人によって全然違うのでどの食品やサプリメントがいいのかは人によって違うということになります。

今までは全くわからなかった自分の腸内細菌ですが、最近は腸内フローラの検査キットなども販売され自宅で手軽に検査できるようになっています。興味のある方は「Mykinso(マイキンソー)」というキットがおすすめです。

ただ、検査代も安いわけではないですし、検査で『こういう食品を多く摂りましょう』とは言ってくれますが、具体的にどの商品が一番合うかまでは残念ながらわかりません。

ということで、自分にあう乳酸菌を見分けるには『自分の体調がよくなるか2週間ほど試してみる』のが一番確実です。

乳酸菌サプリの選び方

自分にあうサプリメントをお得に効率よく見つけるために、まずはサプリメントメーカーの傾向から書いていきたいと思います。

サプリメーカーの傾向

当然のことですが、各メーカーとも自社製品を選んでもらうためにいろいろ工夫をしています。まずは他社製品にはないオリジナルの成分や、製法、工夫があること。
そしてそれに科学的な裏付けがあることが一番大切ですが、残念ながら根拠を明らかにしていないメーカーもあります。

次のポイントは価格。やはり高すぎると買えないので気軽に続けられる価格でないと困りますが、ここで注意してほしいことがあるのです。各メーカーとも定期購入の方が安く買えるようになっています。それはいいことですが、初回だけとても安くして客寄せしておいて、よく見たら三回は購入しないといけないという最低三回縛りという条件にしているところが多いのです。

確かによく読めば三回買わないといけないことや、三回での合計金額も書いてあることが多いのですが、字が小さくてハズキルーペがないと読めない!
商品に自信があるなら一回だけの購入でもリピートしてくれると思うのですが…

これらの点によく注意をしてサプリメントメーカーを選んでください。まずは試してみないと自分にあうかどうかわからないですから。
工場でサプリを生産しているイラスト
ちゃみさんによるイラスト

おすすめする乳酸菌サプリ

以上をふまえて、ここからおすすめのサプリメントをご紹介します。
まずはどれか一つだけ頼んでしばらく続けて効果があるか確認しましょう
2つ以上同時に試すとどれが効果があったのかわからなくなるので一つずつ試すのがおすすめです。

販売実績と商品への自信で選ぶと

商品名 乳酸菌革命

3大乳酸菌と言われるビフィズス菌、ラブレ菌、ガセリ菌を含む16種類の乳酸菌を配合。耐酸性のカプセルを使っているので胃酸で殺されることなく、腸まで直接成分を届けることができます。なにより販売実績が60万袋あり商品に自信を持っておられるようで、お得な定期コースでも3回縛りがなく1回で解約してもOKというのが素晴らしいです。


記事執筆時点で定期コースは一回2750円(税抜き)です。次の到着予定日より10日前に連絡すれば1回でも解約できるので定期コースで頼んだ方がお得です。

配合されている成分内容と製品の生産体制で選ぶと

商品名 ドレクセルコア

18種類の乳酸菌と3年以上熟成発酵させた多数の生酵素を加熱処理をせずに加工してあるので腸内環境を整えるのにとてもいいと思われます。もちろん防腐剤も使っておらず、無香料・無着色で安心の国内工場生産。こちらも耐酸性のカプセルを使っているので腸まで直接成分を届けることができます。

定期コースの方が断然お得ですが、3回縛りあり。記事執筆時点では3回の合計金額は15940円(税込)です。やはり少し高額ですが、この成分内容なら仕方ないですね。

購入しやすいAmazonから乳酸菌サプリを選ぶと

商品名 腸活革命

ぬか漬けの酪酸菌、ヒト由来のビフィズス菌B-3、善玉菌のエサになるオリゴ糖、低温製法の生酵素を配合し、安心の国内工場生産。十分な内容で1180円(記事執筆時点の価格)はとてもはじめやすいです。


以上です。自分に合うサプリメントが見つかるといいですね。